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入学のタイミングで考えたい「歯並び」と「成長」の話

2026年03月27日 [ブログ]

春。新しいランドセル、新しい教室、新しい生活。
この「入学」という節目は、実はお口の中にとっても大きな転換期です。

6歳前後になると、乳歯から永久歯への生え変わりが始まり、いわゆる「混合歯列期」に入ります。
前歯がガタガタしてきたり、すき間が気になったりと、見た目の変化に目がいきがちですが、本当に大切なのはこの時期に“何を整えるか”です。

多くの方が「歯並び=歯を動かすもの」と考えますが、成長期の子どもにおいては少し違います。
この時期の歯並びは、単なる歯の位置の問題ではなく、顎の成長・舌の位置・呼吸・飲み込み方といった“機能”の影響を強く受けているのです。

たとえば、口呼吸の習慣があるお子さんは、上あごの成長が十分に広がらず、歯が並ぶスペースが不足しやすくなります。
また、舌の位置が低いままだと、歯列の内側からの支えがなくなり、歯並びが乱れやすくなります。

こうした背景を踏まえ、近年注目されているのが「非侵襲的矯正」という考え方です。
これは、無理に歯を動かすのではなく、成長の力を活かしながら、原因そのものにアプローチしていく方法です。

たとえば、6〜8歳頃には「ムーシールド」という装置を用いることがあります。
これは主に就寝時に使用し、唇や舌の力のバランスを整えることで、顎の成長方向を正しく導くものです。反対咬合の改善や、口呼吸の是正にも効果が期待されます。

また、「MFT(口腔筋機能療法)」と呼ばれるトレーニングも重要です。
舌の正しい位置や飲み込み方、鼻呼吸を身につけることで、歯並びの土台そのものを整えていきます。

さらに、顎の幅が足りない場合には「拡大床」という装置を使い、歯が並ぶスペースを広げることもあります。
これは成長期だからこそ可能なアプローチであり、将来的な抜歯のリスクを減らすことにもつながります。

そして10〜12歳頃になると、必要に応じて「小児用アライナー(マウスピース型矯正)」を用い、前歯の細かな調整を行うこともあります。
透明で目立ちにくく、学校生活への影響も少ないのが特徴です。

こうした一連の流れに共通しているのは、
「今ある歯並びを直す」のではなく、「これからの歯並びを育てる」という視点です。

非侵襲的矯正のメリットは明確です。
痛みや負担が少なく、顎の成長を正しく導くことができる。そして、習癖の改善によって機能的に安定した歯列が得られ、結果として後戻りも起こりにくくなります。

何より大きいのは、「将来、抜歯を伴う矯正を避けられる可能性が高まる」という点です。

もちろん、すべてのお子さんがこの方法だけで完結するわけではありません。
しかし、入学というタイミングで一度立ち止まり、「この子の成長にとって、今何が必要か」を見直すことは、とても意味のあることです。

歯並びは“結果”です。
その背景にある「呼吸」「舌」「姿勢」といった日常の習慣こそが、本当の原因です。

だからこそ、治療のスタートは早ければ早いほどいい。
そしてそれは、「歯を動かすため」ではなく、「正しく育てるため」です。

参考文献・エビデンス

本記事の内容は、以下の研究および臨床知見に基づいています。

Per-Ingvar Axelsson, Jan Lindhe

長期的なプラークコントロール研究(スウェーデン・イエテボリ大学)

Harald Löe

歯周病の自然史研究
・口腔筋機能療法(MFT)に関する研究
・成長期における顎顔面発育と機能の関連に関する研究

これらの研究により、
・成長期における機能改善の重要性
・個別の口腔習癖へのアプローチ
・長期的な口腔健康への影響
が明らかになっています。

上尾・北上尾の皆さま

上尾・北上尾エリアでも、近年はお子さまの歯並びに対する関心が高まっています。
特に「できるだけ抜歯を避けたい」「自然な成長を大切にしたい」というご相談が増えています。

当院では、単に歯を並べるのではなく、成長と機能を重視した矯正治療を行っています。

診療内容:予防歯科・歯周病治療・精密治療・インプラント・矯正治療
完全予約制にて、お一人おひとりに合わせた診療を行っております。

お子さまの将来の歯並びを守る第一歩として、
まずはお気軽にご相談ください。