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メディカルトリートメントモデル(MTM)に沿った歯周病治療について

2025年05月23日 [ブログ]

こんにちは!歯科衛生士の栄です。
今回は、私たちが取り組んでいる【メディカルトリートメントモデル(MTM)】に沿った歯周病治療についてご紹介します。

「歯周病の治療って、ただ歯石を取るだけじゃないの?」
そんなふうに思っている方もまだまだ多いかもしれません。

そもそも歯周病は、プラーク(歯垢)に含まれる細菌が歯ぐきに炎症を起こし、
やがて歯を支える骨を少しずつ破壊していく慢性の感染性疾患です。
痛みがほとんどなく、気づいたときには「手遅れ」になっていることも…。
実際に日本人が歯を失う原因のひとつがこの歯周病です。

これまでの日本の歯科医療では、「悪いところを治す」ことに意識が向き、
病気の“原因”であるプラークを日常的にどう管理するかという点が不足していました。

その結果、治療しても再発を繰り返す『その場しのぎ』の処置が多かったのです…。


当院では、ヨーロッパ歯周病学会でも推奨されている「メディカルトリートメントモデル(MTM)」に基づいた歯周治療を導入しています。

これは、単なるクリーニングや炎症の除去にとどまらず、
病気の原因(プラーク)を把握し「検査→診断→治療→評価→管理」 までを科学的に行う医療モデルです。

MTMの歯周病治療の流れとしては
① 初診・リスク検査
② リスク評価と診断
③ 治療計画の立案と説明
④ 初期治療
⑤ 再評価
⑥ メインテナンス(SPT)
と進んでいきます。

その中で「初期治療」の目的は
・バイオフィルム・歯石を徹底除去
・歯ぐきの炎症を改善
・患者さんのセルフケア向上

内容としては
・効果的なプラークコントロール方法の促し(TBI)
→歯ブラシや歯間ブラシの選び方・使い方の確認
・スケーリングやルートプレーニング
→歯ぐきの上に付着したバイオフィルムや歯石の除去や、歯ぐきの中にある歯石や汚染物を器具で取り除く

この初期治療でほとんどの軽度の歯周病は改善することが多いです。


⭐︎初期治療だけでは改善が難しいケースもあります

重度の歯周病や深い歯周ポケットが残る場合は、
「精密な処置(歯周外科)」が必要になることもあります。

当院では日本歯周病学会認定医が在籍しており、
専門的な歯周外科治療にも対応しています。

また、最新技術である「ブルーラジカル(ラジカル殺菌)」による、低侵襲な非外科治療も導入しています。


ただ、本当に大切なのは「あなた自身のケア」です。
どんなに良い治療を受けても、最終的にはセルフケアの質が予防のカギです。

私たち歯科衛生士は、患者さん一人ひとりの生活習慣に合わせた継続可能なセルフケア指導を行っています。
「続けられるケア」が、歯を守る一番の近道です。

今の自分のお口の状態、知っていますか?
いつでもお気軽にご相談ください。